• あさぬま和子

『種子を守る』6/21愛媛県議会一般質問振り返り①

最終更新: 2019年10月10日

 種子法とは、正式名称を「主要農作物種子法」といい、昭和27年に制定されました。

目的は「主要農作物の優良な種子の生産及び普及を促進するため、種子の生産についてほ場審査その他の措置を行うこと」であり、主要農作物とは、稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆をいいます。  この法律は、戦後間もない日本では食糧確保のために優良な種子を国が公共財として守ったのが始まりです。農家に安定した種子の供給が行われることで国民の食糧は確保されてきました。  種子は農家が自分で来年の種を採る「自家採種」も可能ですが、良質な種子を残そうとすれば大変な手間と時間がかかるため、ほとんどの農家は種子を購入しています。コシヒカリなどはキロ当たり500円と安く供給されますが、一つの品種が開発されるまでには10年、増殖には4年かかるといわれております。  その種子法が昨年の4月から廃止となりました。  政府は、種子法廃止の理由について、「近年、種子生産者の技術水準が向上し、種子の品質が安定してきており、都道府県に優良な種子の安定的な生産などを義務づける制度の必要性が低くなったため、また、良質かつ低廉な農業資材の供給を進めていくとともに、民間事業者が行う種子の生産や供給を促進するため」と説明しています。  農林水産省としては、新品種の開発を進めるためには民間企業の力も必要ですが、種子法があると民間企業と都道府県との競争が公平にならないので、廃止して競争力を高めて安くて安定した種子の供給をしようとする狙いがあります。  しかし種子法があるおかげで、その地域の特色にあった多様な品種を提供でき、その中のコメだけでも約300品種あります。政府は種子法を廃止し、それらの銘柄を集約して数種に絞ろうとしていることが、平成二十九年五月に公布された農業競争力強化支援法第8条3項で「地方公共団体又は農業者団体が行う農業資材の銘柄の数の増加と関連する基準の見直し、その他の農業資材の銘柄の集約の取組を促進すること」とされていることからもわかります。

 種子法廃止により種子の供給が民間企業に委ねられることで様々な問題が懸念されます。  今年3月に元農林水産大臣で、種を守る会の山田正彦氏よりご講演を頂いた際の資料によりますと、

① 安定して安く入手していた優良品種の種子を4倍~8倍の価格で購入しなければならなくな

 る。現在も、「みつひかり」、「つくばSD」、「とねのめぐみ」など民間企業の品種

 は、公共品種の4~10倍の価格で販売されている。 ② 民間の品種みつひかり等はF1品種なので、自家採種できずに毎年新たに種子を購入しな

 ければならない。 ③ 農家は民間会社と直接契約して、肥料・農薬などの資材はすべて購入が義務づけられ、

 収穫したコメも他に出荷することはできない。 ④ かつて野菜の種子は国産100%だったが、今では90%が海外生産されるようになったよう

 に、コメ等主要穀物の種子は現在すべて国産で自給しているが、それが危うくなり食糧安

 全保障 の危機につながる。

といった多くの問題が指摘されています。  さらに、農業競争力強化支援法第8条4項では「種子その他の種苗について、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること」とあり、これまで日本が蓄積してきたコメ等の原種、原原種、優良品種の知見をすべて民間に提供することになっています。

 これでは都道府県の「知見」が民間業者から海外へ流出してしまう恐れがあるのではないかと考えます。社会的な公共財である主要農作物の種子を守ることは、日本の食糧主権を守ることに他ならないと私は思います。一方、他県に目を向けてみますと、廃止した法律に替わって、独自に条例を制定する動きが広がっています。  種子条例を制定した県は、新潟県、兵庫県、埼玉県、山形県、北海道、岐阜県、富山県、福井県、宮崎県で、制定予定の県は、9月までに6県、年末までに5県となっており、多くの県が制定に向けた準備を進めています。  愛媛県では、条例の制定は行っていませんが、種子法廃止を受けても、愛媛県主要農作物採種事業実施要領を基に、引き続き種子の生産と供給などの取り組みを継続して実施されていると伺っており、大変心強く感じます。  ただ、現在の要領に基づく取組みでは、担当者がかわると変更される恐れもあり、罰則等の拘束力もありません。各県が新種子条例を制定しているのは、今後大企業や多国籍企業などに主導権を握らせないための抑止力であり、日本の農業を守る狙いもあると考えられます。また、JA中央会やコープ自然派などは、何年も前から危機感を表明されており、県内の多くの農業者の方々からも、種子法廃止による今後への不安や危機感を抱く声を聞きます。 愛媛県として、そういった不安を抱える農業者の方々に安心していただくために、条例の制定も含めた今後の取り組みを考えてほしいと強く願います。  種子はあらゆる命の源であるということを私達ひとり一人が理解し、食糧主権を自分たちの手で守ることが必要であると考えます。  そこでお伺いします。

「種子を守っていくために、県は種子条例の制定も含めて今後どのように取り組んでいくのかお聞かせください。」


【県の回答】

 現在、県としては県の実施要領に基づき種子を守っているので条例制定は考えてないが、今後、生産者の声や全国JAの動向を注視し、安全な作物を安定的に消費者へ供給できるよう努めます。


とのことでした。

 私としては、県が、種子法の廃止について、危機感を持って動いてくださってることは、理解し、ありがたいとは思いますが、さらに抑止力のある、種子条例の制定を、諦めず、働きかけていきます。


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