あさぬま和子
『農産物の安全・安心と地産地消・ブランド化に向けた取組み』6/21愛媛県議会一般質問振り返り②
『食育』という言葉がありますが、2005年に食育基本法が制定され「食育」の基本的な理念が提示されております。同法第17条では「都道府県は、食育推進基本計画を基本として、当該都道府県の区域内における食育の推進に関する施策についての計画を作成するよう努めなければならない。」とあり、愛媛県でも「第3次愛媛県食育推進計画」で食育を進められておられます。本計画の基本方針の一つである「環境と調和のとれた農林水産業と食文化に根ざした食育の推進」の下に「地産地消の推進」が施策として挙げられております。 地産地消とは、地域で生産された農産物を地域で消費するだけでなく、生産者と消費者を結び付け、「顔が見え、話ができる」関係づくりを行うものであり、各地域でその取組が行われています。また、地産地消は、食料自給力・自給率の向上や地域農業の活性化につながるだけでなく、農産物の輸送に伴うCO2排出量の削減にもつながる取組として推進されています。 愛媛県の食料自給率ですが、昨年度に農林水産省が公表した平成28年度都道府県別食料自給率によると、カロリーベースで37%という数字がでています。北海道、東北、九州方面より低い感があります。 この四国は日本の中でも自然に恵まれた地域であり、特に愛媛県は地理的環境から考えても、もっと農業の普及があって然るべきと考えます。人口減少が急速に進展する中で、今後心配になってくるのが愛媛県の農業の担い手確保です。愛媛県では、農業大学校での支援や新規就農者の確保に向けた様々な取り組みを行っているとお伺いしております。しかし、いざ新たに就農しても、生活が成り立たなければ、担い手は増えていかないし魅力がもてないのではないでしょうか。今までのような普通の農作物生産や、量産だけでは、TPP法案の成立などもあり、より成り立たなくなることも考えられます。今後採算がとれる農業を実現していくためには、付加価値の高い農産物づくり、また生産から販売までの安定したルートづくりが必要と考えます。特に最近では食の安全・安心に関心のある消費者が増えてきております。農産物の付加価値を高めるための手法の一つとして、無農薬・無肥料の自然栽培の推進を愛媛県として取り組んでほしいと思います。 愛媛県内でも現在成功されている農家さんが何名かいらっしゃいます。例えば、西条市の自然栽培では一番広い農地を営む「土と暮らす」の首藤さんなど成功事例もございます。 県内の柑橘農家では特産品生産のビジネスモデルがあるようにお聞きしておりますが、日本一安全・安心な農業への取り組みこそ、「えひめのまじめな」取り組みとして、今後の県内ビジネスモデルの一つにすべきではないでしょうか。
そこで、お伺いします。
【質問①】<食の安全・安心について> そのようなビジネスモデルを築き上げるためにも、農産物の生産において食の安全、環境保全などの観点から、適切な管理が行われているのかをチェックする必要があると考えますが、愛媛県におきまして、農産物の安全・安心の確保に向け、今後どのように取り組むのかお聞かせください。
地産地消を推進するにあたって地産商品の販売は重要な役割をはたします。そのため、愛媛県におかれましても、えひめ愛フード推進機構等を中心に、かなり努力されておられるとお聞きしております。 「愛」あるブランドの更なる推進のためには日本一安全・安心な商品というのをうたい文句にして、愛媛でしか作れない農産物または加工品を販売していくルートづくりが必要かと思います。現在量的には少ない食品ですが、そういった食品も愛媛には眠っています。
そこで、お伺いします。
【質問②】<ブランド力向上について> 県内の農業者の所得向上のためには、更なるブランド力の向上が必要不可欠であると考えますが、愛媛県は、今後どのように県産農産物のブランド力の向上に取り組んでいくのかお聞かせください。 また、地産地消にて県内自給率100%に近づけるべきであり、そのためには、生産から販売までのサイクルづくりが必要だと考えますが、県は地産地消の推進に今後どのように取り組むのかお聞かせください。
次に、学校給食における地産地消の取組についてお伺いします。 身土不二と言う言葉があるように、自分の住む地域で育った作物をたべることが健康の維持増進につながると思います。その地域にある学校での給食はまさにその対象であるべきと考えます。子どもに対する食育は国家をあげての取り組むべき課題であり、なによりも将来の日本を担う人材を育てる基礎になるものです。 平成29年3月に県が策定した「第3次愛媛県食育推進計画」では、学校給食における地場産物の使用割合について、平成27年度の38.1%を令和3年度に40%以上と、同じく国産食材の使用割合について、80.3%を80%以上と目標値を設定しています。 地場産物の使用割合で40%以上の目標をあげていますが、本来であれば国産食材の使用割合の80%以上という目標を地場産物の使用割合にすべきではないでしょうか。学校給食に納入を希望されている県内業者も多くいらっしゃると思います。
そこで、お伺いします。
【質問③】<学校給食における地場産物の使用について> 日本の将来を担う大切な子ども達です。学校給食を何よりも安全・安心な愛媛県産食材100%に近づけるために、愛媛県としてどのような取り組みを行っていくのか、お聞かせください。
【県の回答】 A.①<食の安全・安心について> 農薬適正使用の徹底や、残留農薬検査も厳しくおこなっている。
A.②<ブランド力向上について> 儲かる産業化を目指し、生産におけるコストダウン、加工品などの高品質化にを進め、愛あるブランドを拡大していく。販売においては、県に営業本部を立ち上げ販売拡大に努めており成果が年々でてきている。
A.③<学校給食における地場産物の使用について> 地場産物の使用目標80%以上は食材の安定供給と保護者負担の面より現時点では困難である。
〜感想〜
愛媛のブランド力の向上への活動は、他県と比較して光るものがあると思っております。 ただ、これからは、輸出の時に、農薬の使用の有無をチェックされる時代が来ています。
したがって、今までのチェック体制のみでは、通用しない時代であると思います。